デリーの重要な10のグルドワーラー 3/10【Gurdwara Shahidi Asthaan Baba Banda Singh Bahadur】

おはこんばんちは🙂 あすゆき(@asliyuuki)です。デリーにある10の歴史的に重要なグルドワーラー(シク教寺院)を巡る記録です。今回は3つ目の、Gurdwara Shahidi Asthaan Baba Banda Singh Bahadurです🌟

Gurdwara Shahidi Asthaan Baba Banda Singh Bahadur

@ Mahrauli

今回は南デリーのメヘラウリー(メローリーとカタカナ表記する場合もあります)エリアにある、Gurdwara Shahidi Asthaan Baba Banda Singh Bahadurです。デリーで有名なイスラム建築クトゥブ・ミナールがあるのが、まさにメヘラウリーで、この辺りは住宅地の中にイスラム遺跡が多く残るエリアです。

ではそんなイスラムエリアになぜシク教のグルドワーラーがあるのでしょうか。そこには悲しい歴史が隠されています。グルドワーラーの名前からその歴史が垣間見えるので、訳してみましょう。「Shahidi Asthaanは「殉教した場所」になります。つまりこのグルドワーラーの名前は「バーバー・バンダー・シン・バハードゥルが殉教した場所のグルドワーラー」という意味なのです。

マヘラウリーは、細い道が続く住宅地が広がっているのですが、この住宅地の中にポツンとグルドワーラーがありました。

狭い道が続く住宅地

歴史とゆかりのある人物

Gurdwara Shahidi Asthaan Baba Banda Singh Bahadurにゆかりのある人物は、カールサー軍(シク教徒の軍)の指揮官バーバー・バンダー・シン・バハードゥルです。デリーにある10のグルドワーラーの中で、唯一10人のグルが関わらないグルドワーラーです。しかし、グルドワーラーが出来るほど彼の殉教はいかに重要な出来事だったかが分かるかと思います。

バーバー・バンダー・シン・バハードゥルは、現在のジャンムー・カシミール地方のヒンドゥー教の家庭に生まれましたが、出家し敬虔なシク教徒でした。10代目グル、グル・ゴービンド・シン率いるカールサー軍に加入し、彼の弟子になりました。優れた指揮官として数々の戦いで活躍し、グル・ゴービンド・シンがムガル帝国シルヒンド(パンジャーブの街)総督であったワジール・カーンにより暗殺された後は、彼が前線でカールサー軍の指揮を執りました。

グル・ゴービンド・シンの死後、グルを暗殺したワジール・カーンへの報復や、パンジャーブの各地をムガル帝国から奪還するなど活躍します。もちろんこれをムガル帝国はよく思いません。当時のムガル帝国の主要都市であるデリーと現在のパキスタンにあるラホールの間に位置するパンジャーブを制圧され、通信を妨害されることや人々からの支持を集めていることに、ムガル帝国第7代皇帝バハードゥル・シャー1世は危機感を持ち、本格的にシク教徒のカールサー軍の排除に乗り出します。様々な攻防の末、パンジャーブにあるとある村での「グルダース・ナンガルの戦い」で最終的に、バーバー・バンダー・シン・バハードゥルと約400人(諸説あり)のシク教徒戦士がムガル帝国軍によって捕らえられました。ムガル帝国軍は、捕らえたバーバー・バンダー・シン・バハードゥルの手足に鎖を巻きつけて鉄の檻に入れると、その鉄の檻を象の上に乗せてラホールでパレードを行ったといいます。この後、デリーへ向かいますが、ムガル帝国軍は見世物にするために、捕まえたシク教徒を鎖で繋いで歩かせ、また捕らえて斬首したシク教徒の頭部を乗せた荷台を引き、また頭部を槍に刺して持って歩いたと言われています。

この行列がデリーに到着すると、ムガル帝国第9代皇帝ファルック・シヤルに引き継がれ、今度はデリーでの様々な公開拷問が始まりました。ムガル帝国に捉えられたシク教徒へ与えられた選択肢は「イスラム教への改宗か、死か」のみでした。全てのシク教徒は死を選びました。全員がバーバー・バンダー・シン・バハードゥルの目の前で殺され、斬首された頭部は彼を囲むように置かれました。

そしてバーバー・バンダー・シン・バハードゥルに短刀が渡され、彼の4歳の息子アジャイ・シンを殺すように命じられます。彼が拒否すると、目の前で息子は残虐に殺され、息子の心臓切り取り、彼の口の中に押し込んだと言われています。

それでもなお動じない彼は、眼球をえぐり取られ、手足を切断され、ハサミで肉体を切り刻まれて、この世を去りました。それがこの場所で起こったことです。

(書いていて涙が出てくる。。。)

グルドワーラー

住宅地の中にポツンと佇むグルドワーラーでは、静かな時間が流れていました。私が訪問したときには、他の参拝者はいませんでした。ホールで頭を下げた後、セーワーダール(グルドワーラーで働かれている方)の方が見過ごさずに声をかけてくれて、プラシャードのハルワーをいただきました。今回はいただきませんでしたが、ランガルもあり、小さなコンロで食事の支度をしていました。

10のグルドワーラーに含まれている各所は、やはり大きく立派なグルドワーラーで、参拝者も絶えずに訪れるようなところばかりでした。ですから、こんなふうにこじんまりとした、静かなグルドワーラーが含まれていることは少し驚きでした。ですが、歴史を忘れないためにも必要だと思いますし、私は何よりここに訪れることができて、歴史を知ることができて、本当に良かったと思いました。

靴箱もない小さなグルドワーラー
ホール入り口
プラシャード
ランガル

おわり🙂

🌟グルドワーラー巡り

#03 Gurdwara Shahidi Asthaan Baba Banda Singh Bahadur

● Place – Mehrauli, Delhi

● Associated with – Khalsa Warrior, Baba Banda Singh Bahadur ji

● Sikh Artifacts – His martyrdom place

● Saraan – n/a

● Sarovar – No

あすゆき

最後までお読みいただき、ありがとうございました🧡

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