【印パ国境巡り#04】お互いの国境を超える!フセインワーラー国境@フィロズプル

おはこんばんちは🙂 あすゆき(@asliyuuki)です。インドとパキスタンの国境を巡ってみようというシリーズ。今回は、パンジャーブ州フィロズプル、サトルジ川の近くにあるフセインワーラー国境に行ってきました。

フセインワーラー・ガンダーシンワーラー国境

フセインワーラー・ガンダーシンワーラー国境は、インドのフィロズプルから約11キロ、パキスタンのガンダシンワーラー村から約4キロの地点にある国境です。インド側では「フセインワーラー国境」パキスタン側では「ガンダーシンワーラー国境」と呼ばれているようです。この道はインドのデリーからパキスタンのラホール(かつてのパンジャーブ州の州都)を結んでおり、重要な交易路として活躍していました。1970年までは交易路として稼働していましたが、国境検問所としての役割はワーガー国境に置き換えられ、それ以降このフセインワーラー国境では旅客を通す道としても、モノを運ぶ道としても稼働はしていないようです。

国境上にはセレモニー用のスタジアムが、両国ともに建てられています。ワーガー国境よりは小さいですが、かなりしっかりしたスタジアムです。

フィロズプルという街

このフセインワーラー国境があるフィロズプルは、街を歩くだけで分かるのですが、とても軍事色の強い街でした。道のいたるところに、戦車や大砲が飾られていたり、国旗が掲げられていたり、おそらく戦争で活躍した人の銅像があったり。この街はインドの戦いの歴史と深く関わりがあるようです。

この場所はイギリス統治されるようになった時、イギリスはこの辺りを支配していたシク王国との対立からこの場所を重要視し、イギリス側の軍事基地が置かれ、1845年の第一次シク戦争(イギリスvsシク王国)では、この辺りが戦場となりました。

印パ分離独立後は国境の近くの街となり、立地的にも重要な駐屯地としてインド軍基地が置いてあります。1965年の第二次印パ戦争ではここが戦場になり、1971年の第三次印パ戦争でもこの辺りが戦場と化しフィロズプルはパキスタンに陥落しました。こうして現在までこの街はインド軍の重要な駐屯地としてあります。

街中にあるグルドワーラーもシク教徒戦士が戦ったサラガリの戦いを祀るものがあります。またフィロズプルはインド独立運動で活躍した革命家が荼毘に伏された場所としても知られており、彼らを祀る国立フセインワーラー殉教者メモリアルもあります。このメモリアルでは、パンジャーブ出身の3人の革命家、バガト・シン、シヴラーム・ラージグル、スクデーヴ・ターパル(いずれもラホールでイギリスによって処刑され、この地で火葬された)が祀られています。

BSFとパキスタン・レンジャーズの衣装

ところで、BSF(Border Security Force 国境警備隊)とパキスタン・レンジャーズの頭の上に乗っているアレ!鶏のトサカみたいなアレ!気になりますよね。アレについて詳しい情報はあまりなく、正しい情報ではないですが、個人的見解を書いてみたいと思います♪

あの頭に乗っている帽子は、おそらくパンジャーブの伝統衣装のひとつ、トゥルラー(ਤੁਰਲਾ turla)をモチーフにしていると思います。トゥルラーは、かつては様々な場面で身につけられていたようですが、現在はパンジャーブの伝統的な踊りバングラーの男性用衣装として見ることができます。トサカのように大きく立たせたターバンの端が特徴的で、おそらくこれをモチーフにしているのではないのかと。BSFもパキスタンレンジャーズも簡単にかぶれるように、ターバンではなく帽子型になっていますね。

トゥルラーを身に着ける男性

またターバンの巻き方のひとつである、シャムラー(ਸ਼ਮਲਾ shamla)も似たようなフォルムを持っています。ターバンの端を立たせ、反対の端を垂らすようなスタイル。トゥルラーほど派手に“トサカ”は作らないですが、こんなターバンの巻き方もあります。インドでは、結婚式でよくこのスタイルを見ることができますね。

シャムラーの巻き方でターバンを巻く男性
すっぽりかぶる帽子タイプ!

いざセレモニー

フィロズプルの街からリクシャーで向かいます🛺(往復500ルピー)大きなサトルジ川を渡ると、すぐに国境エリアが現れます。国立フセインワーラー殉教者メモリアルも同じエリアににあるので見ることができますよ~!しかし国境エリアに入るために記帳をしなければならず、かなり混んでいて、さらにそこから徒歩で国境まで向かう道もかなり長いので、早め早めの行動をオススメします。

列に並ばないといけないです
手書きチケット🎫
国境へ続く道、太い!
ミュージアムもあり

スタジアムにはミュージアムも併設されています。かなりしっかりしたファシリティ。この国境にくるだけで見どころたくさんで、いろんなことを学べるし、こんなポイントもフセインワーラー国境いいなぁーと思いました✨

いよいよスタジアムに到着!インドとパキスタンが向かい合うような形でスタジアムが建てられています。またこの時初めて知ったのですが、インド側の前方の席は、街にあるBSFオフィスで事前予約することでシートを確保できるんだそうです。入口も違うし、かなり近い場所でパフォーマンスを観れるし、最後は国境の目の前まで行けるので、あそこに座ってみたかった😰

前方シートだとメインゲートから入場できます
お客さんの入りもいい感じ!

セレモニーが始まる前は、お互いの国で音楽を流し合っています。これもお互い負けじとこれでもかっていう爆音で、頭おかしくなるから、やめてくれ~!!!😅この国境での選曲はこんな感じでしたよ。

いよいよセレモニー!お互いを隔てている小さめのゲートを開けてスタートします。内容はもう言わなくても分かる通りですね。笑

ここの国境では、銃を回収するような場面もパフォーマンス化していました。銃を持ちながら足を上げて歩いてきて、ケースに戻す、ようなパフォーマンス。

足上げパフォーマンスしてます♪
銃を左手にあるケースに格納します!

そして、この国境ではなんと!降納するときに、お互いの敷地に入りました!BSFのひとりがパキスタンの敷地に入り、パキスタン・レンジャーズのひとりがインドの敷地に入ります。そしてその場所で旗を下げ、インドの国旗は→パキスタンの土地へ、パキスタンの国旗はインドの土地へ降りるのです。なんともロマンチック、素敵な演出でした👏✨

お互いの国境を超える瞬間
お互いの敷地で旗を折りたたんでいます

こんな演出は他の国境ではなかったので、フセインワーラー国境ならでは、ですね。またフセインワーラー国境はお互いが向かい合って座るようなスタジアムの形で、距離も比較的近いです。パキスタン側のお兄ちゃんが入場してきたときから、こちらに向かって手を振っていて、振り返したら気づいて反応した😳 サーディキー国境では手を振るのはダメだよ~と言われたのですがここではOKな模様。(BSFの人見てたけど何も言わなかった)

その後もこっちがジャンプしながら手を振ったら、兄ちゃんもジャンプして手を振ってきて、投げキッスまでしてきました🤣🤣😘 フレンドリーな雰囲気がとっても印象的でしたし、こんな思い出エピソードができて嬉しかったです🌼でも意外とインド人は手振り返す人はいなくてそれもちょっとびっくり。

4つ目に訪れたフセインワーラー国境ですが、すっかり一番のお気に入りになってしまいました。ワーガー国境ほど大きくなく、パキスタンを近くに感じれること、何と言ってもお互いの国境を行き来するというパフォーマンスは素敵で友好の証だと感じました。

どこの国境がオススメ?と聞かれたら、このフセインワーラー国境をオススメ!でも、フィロズプルにはあまり観るところがないので、行くなら結局はワーガー国境になっちゃうと思うんですけどね🤭

セレモニーのスケジュールはこちら!

  

印パ国境巡りシリーズ 🇮🇳🇵🇰

#01 ワーガー国境 @パンジャーブ州アムリトサル

#02 スチェトガル国境 @ジャンムー・カシミール連邦直轄領ジャンムー

#03 サーディキー国境 @パンジャーブ州ファジルカ

#04 フセインワーラー国境 @パンジャーブ州フィロズプル

 

あすゆき

最後までお読みいただき、ありがとうございました🧡

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