インドのお祭りホーリー!Holika DahanとHoli【2日間のお祭り】

おはこんばんちは!!あすゆき(@asliyuuki)です。もう二週間経ってしまったのですが、インドに来て初めてのお祭りごとに参加しました。その名もホーリー!インドのカラフルなお祭りってことで有名ですが、でも何のためにお祝いするの?どんなふうにお祝いするの?ってちゃんと知りませんでした。

今回はたまたま日本でのインド人の友人がインドに帰国中ということもあり、彼女が家族でのお祝いに私を誘ってくれました。体験したことを、書き留めたいと思います。

ホーリーってなあに?

映画「Yeh Jawaani Hai Deewani」より:ホーリーソングとして有名なBalam Pichkariのワンシーン

ホーリーと言えば、カラフルなお祭り!カラフルな色粉を顔や体に付け合う春の訪れを祝うお祭り、そんなふうに知られているかと思います。インド映画の中でも“映える”シーンとして登場することも多いです。ヒンドゥー教のお祭りのひとつですが、地域差があり南インドではあまりお祝いされるのは少ないようです。北インドやネパールなどを中心にお祝いされています。

ホーリーはいつ?

ホーリーは、ヒンドゥー暦に基づいているため毎年異なる日付になり、西暦でいうと3月の満月の日に行われます。そしてホーリーの前日夜に、ホーリカー・ダハンという儀式を行います。日付だけでなく、儀式を執り行うべき時間も占星術師により算出されるようです。

北インドではホーリーは祝日となり、この日デリー・メトロは14時頃まで運休でした。日本に住んでいるとどんな祝日でも交通機関が止まるということはないので、新鮮でした。でも交通機関に勤める人は、お祝いできないなんていやだもんね。こうやってみんなが家族との時間を大切にできるのは、素敵なことですよね。

ホーリーのお話

ホーリーの起源となる逸話やお話はいくつかあるようですが、そのひとつがヒンドゥー教のヴィシュヌ神と彼を讃えるプラフラーダ王子のお話です。ヒンドゥー聖典のひとつ『バーガヴァタ・プラーナ』の中でこの伝説が語られています。

アスラ(魔族)の王であるヒラニヤカシプ王は、誰にも殺されることのない5つの特別な力を手にしていました。

① 人間にも、動物にも殺されない

② 屋内でも、屋外でも殺されない

③ 昼でも、夜でも殺されない

④ 陸上でも、空中でも、水中でも殺されない

⑤ 手から放たれる武器でも、手に持つ武器でも殺されない

このような力を手に入れたヒラニヤカシプ王は、傲慢に誰もかもに自らを神のように崇拝するように求めました。しかし息子であるプラフラーダ王子だけは同意せず、ヴィシュヌ神を信仰し続けます。気に入らないヒラニヤカシプ王は、何度も罰を与え殺そうとしますが、毎度毎度のことヴィシュヌ神の力により、プラフラーダ王子は助かります。

 

そこで最終的にプラフラーダ王子の叔母にあたるホーリカーが、プラフラーダ王子を火葬場で焼き殺そうと試みます。プラフラーダ王子を誘い出すために、ホーリカーは一緒に火葬場に座りました。彼女は燃えないように特別なマントを身につけていました。ですが火が燃え上がると、そのマントはホーリカーの身体から離れ、プラフラーダ王子を包み込みました。こうして、ホーリカーだけが焼け死に、プラフラーダ王子は助かりました。

 

そしてヴィシュヌ神は第4の化身である人間とライオンの獣人ナラシンハの姿で現れ、

① 人間でも、動物でもない、ナラシンハの姿で

② 屋内でも、屋外でもない、玄関先で

③ 昼でも、夜でもない、夕暮れ時に

④ 陸上でも、空中でも、水中でもない、彼の膝の上で

⑤ 手から放たれる武器でも、手に持つ武器でもない、ライオンの爪で

ヒラニヤカシプ王を始末しました。

 

お祭りの名前はホーリカーの名前から取られ、こうしてホーリカー・ダハンとホーリーでは、悪に対する善、ホーリカーを燃やした火の勝利を祝い、悪を表すものを燃やし、清らかになった後に新たな色を塗り合うお祝いなのです。

・・・ですが、このお話以外にもクリシュナ神と恋人のラーダーのお話があったり、豊作のために神々に祈りを捧げることを意味するHolaという言葉と意味が起源だとか、たくさんの逸話や起源になるお話があるようです。

前日祭:ホーリカー・ダハン

होलिका-दहन Holika-Dahan

होलिका → ホーリーをお祝いする起源のアスラの名前。そして前日の夜に焼くものの名前。
दहन →「焼く」という男性名詞。

ホーリーの前日の夜、ホーリカー・ダハンからこのお祭りは始まります。ホーリーの起源となったお話の通り、悪に対する善の勝利を祝うため、また悪いものを全て焼き払うために大きな炎を焚き、お祈りします。

友達が話してくれたのは、このホーリカー・ダハンで壊れた関係や悪いことを全て焼いて忘れて(日本語風にいうと水に流して)、ホーリーでまた一からやり直そうっていう意味があるんだよと教えてくれました。

木材を集めてホーリカーの準備をします。インドのヒンドゥー教お祈りには欠かせない牛糞燃料(गोबर का उपला gobar ka upla)を重ねて、また人に模して木材には布を巻きつけています。伝統的には、ホーリーの前にある春の到来を祝うバサントパンチャミの日からこの日まで、燃えやすい木材や枯れ草などを集めるようです。

このホーリカーの周りに集まり、「ハッピー・ホーリー」と声を掛け合い、この時は薄い色の粉を顔につけ合いました。ソサエティの長らしき方が現れ、儀式を始めココナッツを割り、火を灯します。火が灯った後は、この轟々と燃え盛るホーリカーの周りをみんなで何度も何度も周り、お祈りをしました。悪いことが全て消えますように。

ハラチャナをローストする

このホーリカー・ダハンの時に、女性たちが燃え盛る炎に近づき、熱さに耐えながら、緑のひよこ豆(हरा चना hara chana)を炙り焼いていました。ホーリカー・ダハンでは、緑のひよこ豆を炙り焼き、これをプラサードとしていただくのだそうです。

緑のひよこ豆はヒンディー語でハラチャナと言います。ある地域ではハラチャナのことを「ホラ」と呼ぶこともあり、この言葉と「ホーリー」が掛けられているようです。(ホーリー自体も、場所によってはホーラーと呼ぶこともあるようです)

このまま食べてもよし、料理に使ってもよし、なんだそう。ローストしたてのハラチャナは、ホクホクしていて美味しかったです。

当日:ホーリー

さて、日が変わったらホーリー当日です!朝から、ソサエティの中でも、ソサエティの外からも至る所で爆音の音楽が鳴っています。

上の写真を見てください。3つのコンロ口それぞれに小さな小さなプーリーが置かれているのが見えると思います。友達が朝食用にプーリーを作り始めたのですが、まずはこうやって火の神様に感謝するためにプーリーをお供えするのだそうです。これも昨日のホーリカー・ダハンの続きですね。

さて、女性たちはまずはホーリーのためのおいしいごはん作りがはじまりました。手伝おうとすると、友達の義姉さんにめっちゃくちゃ嫌だ嫌だ嫌だ!!を連発をされました(笑)お客様に、手伝わせるのはいやなんだとか・・・。友達は分かってくれたので、ほーんの少しだけ手伝わせてもらいました。

おいしいごはんの準備が終わったら、外にでかけます。

Happy Holi !!

着いて1分で緑色にされた図。“映え”は遠い…。

みんなに落とした方がよい!と言われて、塗り直した図(笑)

昨日ホーリカー・ダハンを行ったソサエティの広場についたら、もうそこは無礼講の広場。子供たちは、プール(水を使うお祭りのときのためだけのプールがある)で水遊び、水鉄砲や水風船を投げ合ってびしょびしょに、爆音でかかってるホーリーの音楽と一緒に、男性陣はお酒を飲んだり踊ったり、女性陣もダンスダンス。こういうとき、楽しそうに踊るのってほんと素敵だなーっと思いました。

ホーリーアイテム

ホーリーは、色をつけたり色水をかけあったりして、楽しみます。いろんなアイテムがあるので、ヒンディー語の名前と一緒に書いてみました!

गुलाल (Gulāl) 色粉

これがなきゃ始まらない!昔は体や目にあまり良くないものが多かったそうですが、今は皮膚につけても目に入っても大丈夫なように配慮されたオーガニックなものも安価で手に入るようになったようです。

पिचकारी (pichkārī) 水鉄砲

ピチュカーリー!これもホーリーに欠かせないアイテムのひとつ。大人はあんまり使わないかな。タンクになってリュックみたいに背負うものもあったり、バラエティ豊か!

पानीवाला गब्बरा (pānīwālā gubbarā) 水風船

水を掛け合うのに水風船もよく使われています。蛇口から直接水を入れられるようになっていたり、ゴムが付いていて簡単にしばれるようになってる!

पटाका (patākā) 爆竹

色つき爆竹!写真はちょっと分かりにくいけど、いろんな色の爆竹が、パチパチいいながら暴走しています。

रंगों की फुहार (rangon ki phuhār) カラーフォグ

こっちは下に置くタイプ。色付きフォグがすごい勢いで噴射します。下に置いてもいいし、手に持ってもOK。

ホーリーソング

ホーリーには、音楽も欠かせない!ホーリーソングはいろいろあるけれど、定番を書き出してみました。見るだけで楽しい!知っておくだけで盛り上がれるー!

Rang Barse(1981年 映画「Silsila」より)

アミターブ・バッチャンのホーリー定番曲!上の世代のひとたちだったら、絶対に知ってます。

Balam Pichkari(2013年 映画「Yeh Jawaani Hai Deewani」より)

ここ最近でホーリーソングといったら、もうこの曲一択!!!この曲だけ知ってれば、絶対大丈夫。

Badri Ki Dulhania(2017年 映画「Badrinath Ki Dulhania」より)

わたしの大好きなヴァルンだから勧めてるんじゃ、ありません!(笑)2017年の比較的最近の曲で、子供世代には一番この曲がウケてましたー!

ホーリーは“イベント”?

भारत में धर्म लोगों की ख़ुशियों और त्योहारों का अभिन्न हिस्सा है।
インドにおいて、宗教は人々の幸せとお祭りに不可欠な部分です。

今回誘ってくれた友達は、日本に住んでいた時に出会ってお互いに言語交換をしていた友達です。(私はヒンディー語を学んでいて、彼女は日本語を学んでいる)色々割愛するけど今私たちはふたりともインドにいて、彼女が私のことを誘ってくれました。

その彼女との言語交換(という名のお茶会)の中で、自分の言いたい文章を書き添削し合うというものをやっていました。上の文章は、それを始めた最初の日に彼女が書いてきた文章です。

今回のホーリーの帰り道、私は彼女の書いてきたこの文章をふと思い出しました。

彼女はインドの伝統的なというよりも、先進的な子です。高校卒業後から家を離れ自立し、大学卒業し仕事をして自分で決めた相手と結婚をし、ここ数年は夫の仕事の都合で日本にやってきて、独学で日本語を学び日本で仕事を見つけ働いていました。家を出てからはあんまり帰省せずあんまりお祝いもするような人間じゃないと言ってたし、日本的な考えもよく分かっています。

でもその彼女がこの文章を書いた意味、それをようやく理解できた気がしたのです。

こんなコロナ禍で集まる必要ある?がまんすれば良くない?命より大切なことってある?でもきっと宗教やお祭りは「大切なこと」じゃない。この文章の通り、彼らの一部分なんだと。不可欠な一部分。

色を掛け合うホーリーというキャッチーな部分ばかりがフォーカスされてしまうけど、ホーリカー・ダハンでお祈りする姿を見てこのお祭りの意味を知り、私はそう感じました。ホーリカー・ダハンで悪いものを焼き払ったからこそ、新たなものを迎え入れるためにホーリーがある。前日のホーリカー・ダハンとは打って変わって、メリハリをつけて楽しむときは楽しむ。そんな考え方も素敵だと思いました。

もちろんこのコロナ禍の状況で、人々が密集し集まることは良いとは言い切れません。様々な考えの人がいました。マスクを外そうよと言う人。外したくないという人。もうコロナは関係ないとばかりに楽しむ人。サニタイザーを片手に参加する人。でもこれはお祭りだから、と少しだけ顔を出しに来る人。私たちは彼女のお腹に子供がいることもあり、30分ほど顔を出し、そのあとは家の中で楽しみました。

そしてもちろんこれがインドのスタンダードでも何でもなく、様々な考えの方がいます。コロナなど関係なくホーリーは危ないから外に出ない方がいいと私にアドバイスしてくれた人もいました。この状況でそんなのやるのはバカだという人にも出会いました。地域によって、お祝いの仕方も違い、その重要さも違い、考え方も違います。

私は、こんな状況でやるなんてバカだね。がまんすれば良くない?とは決して言うことはできないということだけは強く感じました。ホーリーのあとも、いくつかの宗教行事によって人が集まっていますが、やはりそれを止めることは難しいだろうし、咎めることはできないと思ってしまいます。

また信仰心があるわけでもない外国人の私が参加することはどうなのよ?と言われるのかもしれない。私は今コロナ禍だから自分の目標や夢は先延ばしにしよう、そんなことを考えてるくらいならとっくにインドでの就業を諦めてる。それでも来たからには、できる限り1分1秒でも無駄にしたくない。そう思って過ごしてるし、できる限りの感染対策はして、インドを見て行きたいし、知りたいと思っています。

 

あすゆき

最後までお読みいただき、ありがとうございました🧡

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