こんにちは。あすゆき(@asliyuuki)です。
今年3月に発売されて以降、新型コロナウィルスによる外出自粛と相まって、売り切れ続出のNintendo Switchゲーム「あつまれどうぶつの森」。私自身もともとゲームは全くしないのですが、私みたいなポンコツ・ズボラでも楽しめるあつ森にすっかりハマっています。
あつまれどうぶつの森は、無人島でどうぶつたちと過ごすスローライフを楽しむゲームなのですが、現実世界のような設定(お家を買うのにローンを組んだり、貯蓄には利息がついたり!)がとても細かく、それが魅力のひとつでもあります。
またゲームの中で手に入れることができる家具やお洋服に至っても、現実にあるものなら探せばほとんどあるんじゃない?くらいのバラエティの豊かさなんです。
特にプレイヤーやどうぶつたちが着ることのできる洋服には、世界中の民族衣装などもあり、今回はあつまれどうぶつの森の中で見つけたインドなアイテムたちを紹介したいと思います。
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あつ森に出てくるインドなアイテム
サリー
https://twitter.com/asliyuuki/status/1286539524609212416
【साड़ी sadī サリー】は、インドの女性民族衣装です。
インドの民族衣装といえばサリーを思い浮かべる方が多いと思います。サリーはヒンドゥー教徒の衣装のひとつです。
身体にぴたっとしたブラウスまたはブラジャー兼用のチョリと呼ばれるブラウスと、ペチコートの上に一枚の布を巻きつけて着ます。普段着としてはもちろん、オフィシャルな場面でも使われるサリーは、様々な素材やデザインがありそのお値段はピンからキリまであります。また地方や階級によって巻き方が異なり、その着こなしひとつで様々なことが分かるんだそうです。
このように一枚布を身につけるのには理由があります。ヒンドゥー教では、縫い合わせて作った服はその縫い目に魔が宿ると考えられており、縫い目のない布が清浄なのです。
この考えはサリーをはじめ、男性ヒンドゥー教徒が身につける腰布【धोती dhotī ドウティ】やお祝い事の時に身につけるターバンなども同様で、縫い目のない一枚布が使われます。女性が身につけるサリーの布の長さは約5メートルだそうで、昔はこれよりもっと長いものをつけていたようです。
腰布のドウティ
宝石となじみ深いインドらしく、英語版あつ森[Animal Crossing]では、これらサリーのカラーに宝石の名前が採用されています。
クルタ
【कुरता kurtā クルタ】は、インドの男性民族衣装です。
インドとパキスタンに広がるパンジャーブ地方の民族衣装とされていますが、そのルーツはさらに中央アジアの遊牧民の着ていた衣服まで遡ることができます。このクルタという名前も、元々はペルシア語のチュニック(長丈の上衣)を指す【کرته korte】が由来です。
クルタの特徴は襟のないゆったりとした作りで、お尻を隠すくらいまでの丈があります。刺繍が施されたり、胸元にボタンが付いているデザインも多いです。クルタの下にはパジャマ、サルワール、チュリダールなどを履きます。カジュアルな場面では、クルタの下にジーンズを履くことも。
元々は男性用の衣装でしたが、現在は男女ともに着用されているポピュラーな衣服です。女性の着用するものは【कुरती kurtī クルティ】と呼んだりもします。
あつ森では、伝統的なデザインが採用され4つのボタンと刺繍らしきものが施されたデザインになっています。4種類のカラー展開で、ブルー、グレー、ベージュ、グリーン。残念ながら、パジャマやサルワールなどの下衣は無いので、ゲームの中ではジーンズやスウェットを合わせてね。
男性用クルタ
ターバン
あつ森では、上のイラストのようにデフォルメされてしまってはいるものの【ターバン】もインドの男性民族衣装のひとつです。ターバンという言葉は、ペルシア語でターバンを意味する【دولبند, dulband】がヨーロッパに伝わり英語として定着した言葉です。ヒンディー語では、ターバンのことは【पगड़ी pagdī パグリー】と言います。(この項目ではターバンで通します)
ここではインドにおける二種類のターバンについて書きます。ひとつはシィク教徒がつけるターバン、もうひとつはラジャスタン地方の民族衣装としてのターバンです。(ターバンは、祭事の際などには宗教にかかわらずインドでは様々な場面で着用されます。)
シィク教徒がつけるターバンは、私たちが思い浮かべるインド人男性のターバン姿に近いかもしれません。彼らは、教義を守り髪を切らないのでその長い髪のため、また大切な頭を守るためにターバンをつけています。シィク教徒はインド人口に対し1.7%(2011年国勢調査 )のみの少数派にも関わらず、こんなにもインド人といえばターバンというイメージが定着しているのには、勤勉で世界へ羽ばたいたシィク教徒が多いから、などと言われています。
またもうひとつのターバンはラジャスタン地方の民族衣装としてのターバンです。ラジャスタン地方のカラフルな絞り染めの綿の布を、ぐるぐるとねじりながら巻きつけるスタイルが特徴です。
乾いた砂漠の広がるラジャスタン地方では、砂よけとして、汗をぬぐうタオルとして、またはターバンをほどいて井戸の水をすくうために使うとか(笑)実用的な面からもターバンをつけています。サリーと同様、デザイン、巻き方などに様々な方法があり、その形で身分がわかるそうです。
ラジャスタンスタイルのパグリー(盛り盛りタイプ)
あつ森に登場するインドなキャラクター
シャンティ
https://twitter.com/asliyuuki/status/1280071520312627200
あつまれどうぶつの森に登場するどうぶつでもチェックしたい子がひとり。
サリーを身につけたハムスターのこの子は【शांति shanti シャンティ】という名前なんです。シャンティは、ヒンディー語で静けさや静寂といった意味があり、ヨーガのマントラとしても唱えられる言葉です。
でも残念ながら、おうちの中は、中華風でした…。
おわり
くだらない記事にお付き合いいただきありがとうございました。インド好きなら気になっちゃうアイテムをご紹介しました。旅行にも行けず、買い物もできない今、ゲームの中で物欲を解消するしかありません!笑
そして、私からの質問です。上にあるターバンイメージ、よくアラジンやアラビアンなイメージの羽がついているターバンというのは実在するんでしょうか。フィクションなんでしょうか。どなたか知ってる方がいたら、教えてください!
参考文献
文化学園服飾博物館(2019)『世界の民族衣装図鑑』ラトルズ.