こんにちは。あすゆき(@asliyuuki)です。ドラマ ベター・コール・ソウルが、おもしろすぎて止まらず、この連休4日間で、シーズン1~シーズン5を全て観てしまいました…!
現在、アメリカAMCで放映中のテレビドラマシリーズ ベター・コール・ソウルは、テレビドラマシリーズ ブレイキング・バッドのスピンオフ作品です。
シーズン5 第4話にタイトル「ナマステ」というエピソードがあり、インド好きとしてはこのエピソードについて気になったことをぜひ書いてみたいと思います。
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ブレイキング・バッド シリーズ
https://twitter.com/ABQFilmOffice/status/1263210738316791808
まずは、ベター・コール・ソウルの本家となる作品について。
ブレイキング・バッドは、2008年から2013年にかけて放映されたアメリカの傑作!テレビドラマシリーズです。余命宣告をされた化学高校教師ウォルターが、家族へ財産を残すために自身の化学知識を駆使し良質なドラッグ精製をはじめ、裏社会でのし上がっていく姿を描いています。
傑作ドラマなので、言わずもがな・・・このドラマにもハマって、数年前に一気に観てしまいました。根強いファンがいるブレイキング・バッドからは、スピンオフや続編などが制作されています。
2008年~2013年 テレビドラマシリーズ ブレイキング・バッド
2015年~ テレビドラマシリーズ ベター・コール・ソウル
2019年 Netflixオリジナル映画 エルカミーノ
2015年から続いているベター・コール・ソウルでは、ブレイキング・バッドで登場した犯罪者を相手にする胡散臭い弁護士ソウル・グッドマンがいかにして、悪徳弁護士なっていくのかを描いています。
時間軸としては、ブレイキング・バッドよりも前の時間が舞台。なので、今ブレイキング・バッドをみると、本当はドラマ ベター・コール・ソウルの後になるはずなのに、ソウルが若い(笑)
タイトルは、「Better Call Saul! コールに電話しよう!」という彼のうさんくさ~いCMのキャッチフレーズです。
2019年にはNetflixオリジナル映画としてエルカミーノが公開されました。こちらはブレイキング・バッドの正統な続編。
エルカミーノでは、ブレイキング・バッドのラストシーンから物語が始まり、ブレイキング・バッドの2人いる主人公のうちの1人、高校教師と共にドラッグビジネスに手を染めていった元教え子ジェシーのその後が描かれています。
ベター・コール・ソウル S5 EP4「ナマステ」
Photo by breakingbadbrasil.com
ベター・コール・ソウル シーズン5 第4話のタイトル「ナマステ」ですが、このエピソードの中で「ナマステ」に深く言及されることはなく、小道具のひとつとして登場したのみです。(登場時間たった数十秒・・数秒くらいだったか?)
主人公ジミー(のちのソウル)をコケにしていた大手弁護士事務所HHMのハワードの高級車のナンバープレート「NAMAST3」として登場しました。(Eを、3に反転させてる!)
ジミーとハワードは、ジミーの兄チャックの自殺の後、立ち直ることに苦戦していた。
このエピソードの以前に、トイレで偶然に出会った二人はそのことを口にする。ジミーは恋人のキムから勧められていたセラピストをハワードに紹介しようとするが、ハワードはすでにセラピーに通っていると答える。
そしてこのエピソードでは、ハワードがジミーをランチミーティングに誘い、そこでハワードは今までジミーに行ったことをいかに悔やんでいるかを伝え、改めてHHMに弁護士として迎え入れたいというオファーをするのだ。ミーティングが終わり、別れ間際、ハワードの高級車が到着するとそのナンバープレートには「NAMASTE」という文字が記されていた。ハワードはジミーにハグをすると、その高級車に乗り颯爽と立ち去っていく。
その夜、ジミーはハワードの家にボウリングボールを投げ込み、その車は破壊された。
ナマステの意味
【ナマステ Namaste】は、ヒンディー語の挨拶。ヒンディー語では、नमस्तेと書きます。出会いの挨拶だけでなく、別れの挨拶やありがとうを表現する時など、丁寧な挨拶として時間に関わらず使うことができます。
ナマスは敬礼・服従するという意味で、テは「あなたに」の意味である。
サンスクリット語由来の言葉で、上記のような意味があります。サンスクリット語は仏教と共に、多くのアジア諸国に影響を与えました。そのためヒンディー語だけでなく、形を変えながらインドの他の言語や南インド大陸を中心に挨拶として使われています。
(日本でも「南無」と言って合掌するのは、このサンスクリット語「ナマス」が由来です。)
様々な言語での挨拶
ネパール語 ▶︎ नमस्ते(namaste)
ベンガル語 ▶︎ নমস্কার(nomoskār)
アッサム語 ▶︎ নমস্কাৰ(nomoskār)
マラーティー語 ▶︎ नमस्ते(namaste)
テルグ語 ▶︎ నమస్కారం(namaskāraṁ)
ナマステプレートが表現すること
アメリカのアマゾンに売ってた・・・!
・ハワードは、チャックの死から立ち直り、前を向き始めた。
・ジミーは、チャックの死から立ち直れておらず、そして立ち直ることは諦めた。
私は、こう解釈しました。
ハワードは、決して悪い奴ではない。彼が弁護士として優秀なのかどうかはあまり作中で描かれてはいないが(良くも悪くも)育ちは良い人だ。チャックが自殺したことに加担したのでは無いかと悩み、そこから立ち直り、ジミーに謝罪を述べることができる。ある意味、“出来た”人間だ。
だが、そんなにいとも簡単に立ち直れるぐらいのものだったのだろうか。憎みたいけど憎めないたった一人の肉親であるチャックを亡くしたジミーにとっては、そう疑問が浮かんでも仕方がない。
長年、チャックの依頼だったとしてもジミーを迎え入れてくれなかったHHMとその経営責任者でもあるハワード。そんな奴が、セラピーを受けて確実に前を向き始めている。そして高級車によく分からん「NAMASTE」なんてプレートをつけている。ジミーは全てがバカバカしくなったんだろう。
「NAMASTE」のプレートが、実際いつ頃からついていたのかは分からないが、ハワードはセラピーを受けて、インド哲学とかヨーガとかそんなんにハマったんかな?とか思った(笑)だってそうじゃなきゃ、英語で前向きになれる良いフレーズを選べば良いでしょ。しかも最後のEを反転させて3にしてるところも、なかなか粋な感じがムカつく!(笑)
そしてジミーはこのシーンの後、ハワードの家にボウリングボールを投げ込む。そんな簡単に立ち直られたら、たまったもんじゃない、といった具合に。ハワードと対面したことで、チャックの死後二人の歩み始めた人生には大きな差があることが露呈した。ジミーは、ハワードの謝罪やオファーを受け入れることは選ばずに、あの車を壊す。
「ナマステ」という挨拶は、上記で述べた通り、どんなことに対しても使える挨拶だ。ハワードは明るい未来を迎えようとし、ジミーはチャックの死と向き合うことを諦めたのだ。
おわり
登場人物の心情を表現し、ストーリーの鍵となる小道具。
大手弁護士事務所を経営するエリート弁護士が、自身の高級車に「NAMASTE」のプレートをつけている可笑しさ。他の英語のフレーズじゃあ、物足りないし、本当にナイスな言葉のチョイスだなぁと思いました。
ブレイキング・バッドシリーズは、イースター・エッグ(ストーリーには大きく関わらない、遊び心ある小ネタ)が多いことが有名で、ディテールの演出が秀逸。私は車には詳しくないのだけど、劇中で登場人物たちが乗っている車種のチョイスも絶妙なものらしい。製作総指揮ヴィンス・ギリガンって本当に天才だとおもうの。
ベター・コール・ソウルは、シーズン6の製作が決定しており、2021年の放映が予定されている。これが最終シーズンとなるという。
ジミーの恋人キムは、ブレイキング・バッドには登場しないことから、シーズン6で二人の別れが必ず描かれるのでは。キムみたいな愛に溢れる女性なんていないよ!ジミー!でも、ここまでジミーを愛して許してくれるキムが、愛想を尽かすこともない気がする・・・すると、二人が別れを選ぶわけじゃない・・・?!
と妄想がとまりません。早く観たい!
インド好きとしては、こちらもチェック♡→ ベター・コール・ソウル S2 EP6で使われたThe Bombay Royalの♪ Henna Henna です。かっこいい〜!
ゆうううきさん!
ベター・コール・ソールを見てるとは 知らなかった。 私の知っている日本人で好きなのはゆきさんだけだと思います。誰かと話ができるのはとても嬉しいです。あなたのエピソードの解釈が好きです。私に何かを考えるきっかけを与えてくれます。
ナマステの私の解釈は、ハワードが新しい人生に「こんにちは」と言っているということです。アメリカ人や一般的な視聴者は、あなたのようにナマステの深い意味を知らないでしょうから)。
ハワードが回復した今、ジミーが一人で奮闘しているからこそ、ジミーが車を壊してしまうというのも理由だと思います。彼には彼の痛みを理解してくれる人が誰もいない。
あるいは、ジミーがハワードが良いことをしていると思っていたから、自分が良い気分になっていたのかもしれません。アッカーさん(土地の売却を拒否した男)がシリーズでキムに言っているように。
NAMAST3 の3面白いですね。3は、私によると:
ハワードとキムとジミー(3人)は一つであり、それらを一緒にすることで、同じ壊れた過去の3つの可能性のある道を表現している。それぞれが両親の受け入れを求めて努力していたというヒント以外には、私たちが完全には知らない幼少期を持っています。
3つの分岐した道を想像してみてください。
左側にハワードを傾ける。ジミーに向かって彼の行動のための罪悪感、チャックの死、そしてソールとしてジミーの新しい自由でいくつかの嫉妬誤読によって消費され、彼は悟りを求め、彼の過ちを正すために。彼は世界で正しいことをしようとしている。
彼女は道徳的に良いパスを介して変化をもたらすことができない中、彼女は物事を正しくしようとしているように真ん中ダウン、キムは2つの方向に引き裂かれている。彼女は悟りを求めていますが、彼女はハワードのパスで良いことができないことを受け入れるために始めているが、完全にジミーのパスに吸い込まれることを望んでいません。
そして、最終的に彼の最もグロテスクな道徳的拒否者であるソール・グッドマンになると、右にジミーを気遣う。悟りを拒否した彼は、自分のことだけを見ているのではなく、積極的に善を行おうとする人たちを傷つけているのです(ボーリングのボール)。
ナマスト3。このレンズを通して、我々はハワードがどこに向かっているかを推測することができ、我々はすでにジミーの次の10年のコースを知っています。私たちが知らないことは、彼女が他の人の中に自分自身を見たときにキムの道です:彼女はより近くになり、より近くになり、完全に堕落したソールグッドマンの道に近づくにつれて、悟りを通じた救いや悟りの拒否。
マニシュさんコメントありがとうございます。
Breaking Badも観ていたので、Better Call Saulにもハマってしまいました。
私は、Breaking BadよりもBetter Call Saulのほうが好きです。
なぜなら、Better Call Saulのほうが、より人物のドラマを描いているから。
ジミーには素晴らしい彼女キムがいたなんて。
キムはとてもとても素晴らしい女性ですね。
優秀だし、ジミーを理解して、決して責めないで信頼している。
これから先の二人が幸せであることを願うけど、ソウルグッドマンになって
様々なことに巻き込まれることを知っている私たち(観客)はとても複雑な思いですね。
マニーシュさんの解釈もとても興味深いです。
ありがとう!